「何も良いことはなかった」と生い立ちと我への愛を語る恋人
遺書めける恋文書きて渇きゆく十七歳の我の純情
旧姓を持つ我にとり名前とは記念メダルの刻印の誤字
減じゆく未来の中で愛はさもアルジャーノンの花束の花
父の生き方を嫌いし少年のその日その日の夢の錯綜
それもまたひとつの別れと知らぬまま風に綿毛をあそばす天使
鉢植えに咲く花のごと恩恵に浴しつ我に芽吹くかなしみ
ぬるき湯にうがい薬を溶く指の去年の秋よりくすむ銀色
地球儀の国境線をかるがると越えて小さな指が旅する
繰り返す愛についてのフレーズと高速バスで過ぎゆく名古屋
二児の父。その他いろいろ。
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