結婚は所詮忍従のみが美と諦めている庭のたんぽぽ
食卓を包む湯気にも諭されし日々を倦みつつ過ごせし心
頬杖で待ち人のあるふりをするファストフードの二階の孤独
供養とはなるまい枯れゆく花束も忘れてしまう我の祈りも
哺乳瓶消毒液にひたされて波紋ひとつも拒む静寂
基督を信ぜし人に思うさま無神論的愛を打ちあく
菓子鉢の海苔巻きあられをつまみつつ今いくつかの決心をする
霧笛鳴り続ける岸辺に口ずさむ旅立てぬ身のかくまで愛し
自己一人信ずることを書けばただ紙屑となる投票用紙
西日のみ低く差し込むアパートの窓より世界の黄昏を見る
二児の父。その他いろいろ。
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