味噌の香を鼻腔に満たしわずかなる希望プロレタリアの朝靄(あさもや)
精霊信仰(アミニズム)的悟りにて一切を意味で満たせる少女の瞳
誰の目にも馴染まぬ宗教施設建ち故郷木っ端微塵となりぬ
唯一の真実ありと言う友と議論し友を失いしこと
父のない少年哀歌をつぶやいて玉葱色に枯れる夏空
同情と愛を分かてずアスファルトに死する雀の雛を雨撃つ
オブジェクト指向世界観において予定調和の愛破れたり
道端に連なる点字ブロックの行く先。善意の限界点まで。
監視社会夢見て子どもの手のひらに握らす「@」の視線
セオリーに急かされている少年の未来をしばし拒むブルース
「完全な透明」という命題に果てない空は何色をする
羽化を待つ蛹ひとつの成し遂げる転生。空を泳ぎたいから。
磨りガラス越し叙情的朝来る一切皆苦般若波羅密(スベテハクデアルコトヲリカイス)
「永遠の愛」今日もまた破られてこの世に法廷闘争続く
我もまた金欲しき者飽くこともなくやすやすと今日もへつらう
彼岸菊手向ける墓地のなきままに日本に八月革命起きず
一片の罪も帯びざる者として他人を責めし後の虚しさ
蔑みの文字をゆらめかせてそよぐ通勤電車の風が冷たし
旅の空羽ばたくかもめになりたくて口笛風の音より高く
航跡の白さ天地の何よりも白く世界を二つに分ける
切ない歌が多いですね…。ツバメさんは…すごく面白そうなのに、こういう歌を詠まれるとは、内面は、繊細なんですね…。ところで…なぜ短歌…だったのでしょうか。男性は、圧倒的に俳句を詠まれる方が多いのに…。貴重な男性歌人ですが…。俳句…に行かなかったのは なぜなのでしょうか…。
投稿情報: まこちゃん | 2008年11 月21日 (金) 07:45