さくらのブログが使いやすそうだったので、こちらを暫く使ってみようと思います。
コメントも含めて過去記事もインポートしましたが、このブログも残しておきます。
さくらのブログが使いやすそうだったので、こちらを暫く使ってみようと思います。
コメントも含めて過去記事もインポートしましたが、このブログも残しておきます。
久しぶりに題詠ブログに参加しようと思ったら、TypePadがトラックバックのサポートを中止してた。トラックバック機能がないと、あそこに投稿できないのだ。
題詠用のブログを作ろうかとも思ったけれど、1つだって満足に更新しないので、ここはブログを移行するか、題詠参加をあきらめるかのどっちかにしよう。
とりあえず新しいブログサービスを探してみる。無料か、月数百円ので…。
探してみると、トラックバック機能がないブログサービスも多い。今どきはもう時代遅れの機能なのかな?
うーん、どれがいいかなあ。
なんとなくPocketWi-Fi(LTEの速いやつだ)を契約してしまったので、このブログの契約を有料から無料に変えた。なんと、今まで有料契約だったのだ。ほとんど更新してなかったのに。
(言い訳をすると、このブログサービスはTypePadといって、MovabletypeというメジャーなCMS(ブログとかサイトを構築するシステムのこと)を使っている。Movabletypeがやたらとお高くなってしまったので、このサービスを利用してCSSとかを試作していたのだ)
有料サービス時はデザインの自由度も高く、完成度の高いテンプレートも豊富に用意されていたのだが、無料にしたとたん選べるデザインは数個になってしまった。仕事でないことに割ける時間の余裕もないので、「Twitterデザインを流用…」みたいなボタンがあったので押してみたらこうなった。妙なデザインになったがまあこれでもいいか。
気分的にはいろいろブログとか書きたい気持ちはある。でも最近、そういう時間がない。忙しいのはたぶん結構なことなんだろう。仕事と家のことで1日のほとんどの時間が過ぎていく。わずかな時間をぬって、毎朝ジムに行っているが、それだけであっても自分の時間があるわけだから、これはこれで幸せなことなんだろう。
生活のこととか子どものこととか悩み事はたくさんあるけれど、よくよく考えてみると自分がこれからどうありたいとか、満たされないとか、寂しいとか、そういう悩みはほとんど無い。繁雑な日常の中で埋没しているだけかもしれないが。
とりとめもないことを、また書こう。
「私とは何か」について悩まない菜の花畑の菜の花ひかる
鬼ごっこするため鬼を決めているじゃんけんぽんもひとつの呪文
「死は眠り」「死は溶けること」なぐさめは言葉ではなく空の青色
ミニバラの鉢植えを買うごめんねの代わりに、ありがとうの代わりに
流れ星流れたあとの空にある白い人さしゆびの残像
ブランコがうまくこげない妹の影、姉の影、杉の木の影
Amazing Grace 流れて良いようなオレンジ色の空遠くまで
君んちがあった今では草むらの草を揺らしてバッタが跳んだ
最新のSmartphoneでさほどには待たれていない「帰るコール」を
「おかえり」が「ただいま」よりも多いとき不幸な顔をしてはいけない
謝っている人を責めている人を映すテレビを見ている人を
八百長が文化だったりする国に生きて眉間に皺が三本
町工場だった空き地に暗闇が満ちると時は止まってしまう
鉛筆で地平線描き翼あるものをスケッチブックに綴じる
反政府デモで死ぬ人災害で死ぬ人線路の上で死ぬ人
はなたれた紙飛行機の飛ぶかぎりパパの周りでさえ空である
「生きるとは戦いなんだ」と敗北者たちが言うならまだいいのだが
みんなすることを僕らもするだけの土曜の夜と日曜の朝
十五年、その短さを知らぬゆえ振り返ろうとする十五歳
一人死ぬことがニュースになるようなやさしい国で息をしている
日本語で愛うちあけてしまう日のぼたん雪、夜、夜、ぼたん雪
梅の木の梅のつぼみの赤らんでいく三次元世界の二月
まだ恋を知らない少女が弾くようなピアノぽろぽろぽろぽろぽろろ
バカらしいことをバカだと言う自由常に持ちつつ雨の月曜
君がいたような気がしてふりかえる空は青いっきりで無意味だ
窓越しの一月二日の青空をWiiリモコン振りつつあおぐ
幸福が花咲くようなものであるならば母にもあった幸福
子が二人寝て妻が寝て僕一人起きていて今年もあと三日
鼻歌で木村カエラを口ずさみ悪いことさえなければ良い日
「悪い子にサンタは来ない」という嘘がはびこる12月の屋根の下
angelとangerが似ていることを今日の最後の発見として
そばにいる時そばにいる君を抱くこの手はひとりのさみしさも抱く
海老蔵は海老蔵、僕は僕、君は君で良かった。こないだまでは。
夜九時の牛丼屋にてため息を誰かがふっとつく、僕もつく
行く先も形も全部吹く風に委ねてもなお雲は自由だ
001:春
滅びゆく世界未だに滅びざるゆえ新しい春風は吹く
002:暇
ちっぽけな自分大きな空という無意味な比較をしている休暇
003:公園
この恋も義務負うのみか公園の柵をはみ出てゆく白い雲
004:疑
選ばれし者にあらざる退屈と生への疑問とが我にあり
005:乗
肩すくめ通勤電車に乗る一人一人必死に一人を愛す
006:サイン
世の中の人みな善をなさば我ひとりFuck youのフィンガーサイン
007:決
中絶を決めて大罪負いながらそれでも腹が空くから食べる
008:南北
南北の空は玉葱色に暮れ我ツイートす「サヨナラセカイ」
009:菜
一杯で一日分の祖国愛満たす国産野菜のジュース
010:かけら
砂粒も地球のかけらであるとしてしかしかけらは地球ではない
011:青
ヤクルトに一人の青木宣親を。僕にひとりの愛しい君を
012:穏
ゴメンネを受け入れた日の太陽は思ったよりも穏やかでした
013:元気
「どうしたの?元気ないね」と言う君が好きで元気がないフリします
014:接
相武紗季との接点がなにもない人生だけど我慢するのだ!
015:ガール
幸せは、たとえば君がくちずさむガールズロックで歌われし愛
016:館
美術館行きのバスには美術館行く人ひとりもいない夕焼け
017:最近
最近の気になることはいまだもって「○○なう」とかツブヤク君ら
018:京
「一京円あったらなあ」と妄想し35年ローンの家路
019:押
一瞬で押尾学を忘れ去りあしたは何を夢見るテレビ
020:まぐれ
この恋はキセキか神のきまぐれか予定調和か結局夢か
021:狐
手ぶくろを買いに出かける狐らのシングルマザー的な母子愛
022:カレンダー
共依存的友情の二人笑む来年のドラえもんカレンダー
023:魂
魂の不滅、のようなことにつき考えながら足の爪切る
024:相撲
SAMSUNGの液晶テレビに映されしモンゴリアンの相撲中継
025:環
真っ白な君の左手 循環器科待合室に陽は射しながら
026:丸
丸だけで描いたパパの似顔絵と三角で描くママの似顔絵
027:そわそわ
「あとで大事なメールするね」とメールされずっとそわそわしてた一日
028:利用
友情を利用している。僕たちは明日の孤独を埋めあうために
029:陰
木陰にてふっと陽が射し真っ白になる短篇の最後のページ
030:秤
天秤座・A型・男・日本人。死とは属性からの解放
031:SF
いにしえのSF映画で描かれしソ連がまだある2010年 ※注1
032:苦
美談とし君が苦しみ語るとき感動しない自由を僕に
033:みかん
もし娘なら名は「みかん」と決めていた。だけどみかんは生まれなかった。
034:孫
ペロの死をまあるくつつむ影つくるあなたの孫の小さな背中
035:金
君んちの壁に金正日の絵が貼ってあっても、明日もあそぼう
036:正義
友情のためには死のう。正義とか神様とかのためではなくて
037:奥
「僕はダメな父親だなあ」とつぶやけば、うんうんと奥さんがうなづく
038:空耳
明日もまだ生きていこうとする僕に空耳だろう父の声する
039:怠
バナナマンライブ傑作選を見ていろんなことを怠けてる夜
040:レンズ
50㎜単焦点レンズの中で君がほほえむのを待っている
041:鉛
鉛筆で描くとき君の唇も瞳も鉛色で塗られる
042:学者
機械論的解釈で愛語る心理学者の娘への愛
043:剥
リンゴ剥く手のぎこちなさそれだけを愛の理由とできた青春
044:ペット
母恋うるものの空から暮れていきぺットショップに子犬は眠る
045:群
群れながら詩人のような人たちがまるで詩みたいなものを書いてる
046:じゃんけん
じゃんけんであいこになればあいこっていう名の君を思い出してる
047:蒸
コンビニにピザまん蒸され東京に冬の星座図どおりの星座
048:来世
来世のことを話している君と明日のことだけ約束をする
049:袋
手袋のかたっぽうだけダイイングメッセージ残すように落ちてる
050:虹
ふるさとに幼なじみは誰もいず虹も知らないビルの向こうに
051:番号
番号で呼ばれることと大差ない記号に過ぎぬ僕の戸籍名
052:婆
いろいろとあって僕には爺ちゃんと婆ちゃんたちの思い出がない
053:ぽかん
ボクよりも池田先生が好きだって君に言われてぽかんとしてた
054:戯
遊戯王カードを売ってTSUTAYAから出てくる子どもらの鼻息よ
055:アメリカ
アメリカがただの遠くの国になり不沈空母に国籍がない ※注2
056:枯
別れうるもののすべてと別れ母ひとり空き地に枯れるたんぽぽ
057:台所
僕が死にあなたも死んで台所からいいにおいすることもなく
058:脳
脳内に解き得ぬ謎は閉じ込めて僕は生きたいから生きている
059:病
病んで死ぬことも自然の姿とし虫かごにカブトムシ壊れる
060:漫画
手塚賞〆切りすぎて僕はまだ漫画をかかぬ漫画家である
061:奴
会えばすぐ昔話をする奴の昔話もなつかしきかな
062:ネクタイ
みながするから僕もしたネクタイは何の役にもたたぬ布切れ
063:仏
仏像がぶつぞう、というシャレ浮かび唇かんで焼香をする
064:ふたご
ふたごには生まれなかった僕たちも宇宙人からみたら似ている
065:骨
歯医者にて撮られたレントゲンで知る僕にも頭蓋骨があること
066:雛
罪というなら罪だろう雛鳥の刺身をうまいと言うことなどは
067:匿名
「リクエストは『アンダルシアに憧れて』」(39歳・匿名希望)
068:怒
怒るべきときに怒って褒めるべきとき褒めること。その難しさ
069:島
今すぐに君にききたいことがある「大島優子」が誰かについて
070:白衣
白衣着た人に囲まれサインする人工中絶手術同意書
071:褪
行儀よく生きる君らに色褪せるおととし死んだあいつの記憶
072:コップ
引き算で命のながさ思うときコップに尽きていくぬるい酒
073:弁
自己弁護以外の言葉持たざりし三十九歳にて候えば
074:あとがき
摘まれちゃう野花のような、あとがきで台無しになる歌集のような、
075:微
また少し歩こう涙かわくまで微糖の缶コーヒーを飲んだら
076:スーパー
ウルトラやスーパーじゃないただのマンでもときどきは敵とたたかう
077:対
弟と対戦ゲームをするときの兄の瞳に芽ぐむ優しさ
078:指紋
iPod ぺたぺた指紋をつけ探す椎名林檎の「幸福論」を
079:第
僕次第でどうにかなった今日が過ぎどうにもならない明日になった
080:夜
子守歌うたう幸せ うたわれる幸せ夜も空は果てなく
081:シェフ
シェフの名が覚えられないパキスタン料理の店で挨拶されて
082:弾
いつかこの空に弾道ミサイルが飛んで誰かの人生終わる
083:孤独
孤独にはなりたくないが一人にはなりたい 旅の理由といえば
084:千
千円で行ける限りの遠くまで14歳の海は永遠
085:訛
電話でも、もう高松の訛りなく話す七十五歳の母は
086:水たまり
プルシアンブルーの空は映らないアメンボいない水たまりには
087:麗
網膜にやさしく映るものをのみ綺麗に詠う君らの短歌
088:マニキュア
いたずらでマニキュア塗られ落とし方わからずずっとグーの左手
089:泡
泡ならば消えてしまえばそれまでで人だといろいろ面倒である
090:恐怖
一人で死ぬかみんなで死ぬかの違いのみ恐怖の大王が何であれ
091:旅
赦せないことを赦して夕まぐれ一人の旅をすこし二人で
092:烈
北斗神拳奥義天将奔烈でぶっとばしたいあいつとあいつ ※注3
093:全部
行き先も形も全部吹く風に委ねてもなお雲は自由だ
094:底
空にあるものみなすべて空を去るたとえば湖底に沈んだ夕陽
095:黒
カレンダーの数字が黒の日も青の日も赤の日も君と生きる日
096:交差
古いものから去ることをルールとし夏と冬とが交差する秋
097:換
乗換の駅のホームですれ違う一期一会に満たない出会い
098:腕
両腕で閉じこめている愛があり解き放つのもまた愛であり
099:イコール
血の愛とそうでない愛イコールで結び 血の色している朱印
100:福
さみしさを満たした湖のさざ波に浮かぶボートのような幸福
※補足
注1)『2010年宇宙の旅』のこと。1982年の本なので、1991年のソ連崩壊のことは当然、想定されていない。
注2)かつてアメリカと超仲良しだった中曽根総理が、日本をさして言ったとされる言葉。日本列島は不動だが不沈(島なので)の、米軍所属の航空母艦(基地)であるといったような意味で使われる。ただし、これは実際には中曽根総理の発言ではないらしい。世代的に知らない人がいると思われたのであえて補足。
注3)北斗の拳に登場するラオウの使う奥義。闘気によって触れずして相手の秘孔を攻撃する技。かっこいい。
子どもの頃、冬休みとか夏休みにあんまり勉強をした憶えはない。というか、子どものころ、宿題以外で家で勉強した記憶がほとんどない。親が買ってくれたドリルはいつも白紙のままであったし、一度だけ行った高校受験のための冬期講習では窓から空ばかり見ていた。
そういう自分のことは棚にあげて、今はわりと教育パパに成り下がっている。
いい学校に行かなければいい人生を歩めない…とは思わないけれども、志をもって何かをしようと思ったときに、教養は必要だ。
それに、ゆとり世代とかなんとかいうものの、昔と比べて今の子どもをとりまく環境はハードである。教科書の内容はたしかに薄いが、副教材の量はかなり多いし、塾に行く子が大半であるため総合的に求められる学力のレベルは昔よりかなり高い。
学校を出てから彼らの働く社会も、年々世知辛さを増している。
だから勉強させよう……というのは親心のあさはかさなのだろうが、しかし、勉強なんか大した役に立たない、といって独自の生きる道を見つけるのは、自分自身の人生ならできても、子どもに対して奨励することは親としてどうか。
親に反抗し、結果子どもが自分独自の道を見つけるのだとしても、親はあくまでオーソドックスに徹するべきなのではないかとも思う。親は子どもの能力に応じて、乗り越えていける壁であればよいのだ。
というわけで、いつものことであるが冬休み用の学習教材を作る。
買うと、この手のものはべらぼうに高い。それでもクオリティが高ければ値段の問題ではないので買うが、値段に見合う内容のものはなかなか無い。それに、小学生のうちはある程度の量をこなさせたい。
いろいろ意見はあるだろうが、小中学生レベルでの勉強にはやはり反復練習が必要だろうと思う。勘のよい子はどんどん応用問題をやればいいが、凡人はなにごとも基本の反復とカリキュラムに沿った練習が必要だ。
今日作ったのは小学校2年生の漢字の復習ドリル。薄いお手本の字をなぞれるタイプ。DTPは本職だし、書体も通常の教科書で使われるものと同じなので、市販できるレベルのものだ(自画自賛)。
せっかくなのでアップした。
http://www.z-iii.com/data/2nenkanji1_2gakki.zip
2年生のお子さまがいらっしゃる方はどうぞ。2年生の2学期までに習った133文字を11ページにまとめた。冬休みに1日1枚。小学校低学年の勉強にはちょうどいいボリュームだと思われる。
算数のプリントは良いサイトがある。
http://dailywork.net/modules/math/keisan.html
このサイトは、計算問題以外のものも多数用意されてて重宝している。日替わりで問題が変わるので良い。(ランダムで変わるので、簡単すぎるものも出来てしまうが)
http://www.shoshinsha.com/study/
このサイトは、細かい条件を指定して計算問題を作ることができる。
中学生レベルになると、なかなかサイトの教材だけで勉強を進めることはむつかしいが、小学生の間はこういうものや、自前で作ったものを組み合わせて毎日の教材を用意している。
ま、いずれにしても本人のやる気次第、そのやる気を出させることが一番苦心することろなのではあるけれど。
※過去1年間のツイッターに書いた短歌、約100首です。
iPhoneで親満ツモるおじさんを乗せて電車は走る金曜
父の子と証明されている君のえりあしにあるつむじの形
性愛をのみ愛として11月のクリスマスイルミネーション
不動産屋さんの前の相武紗季相武紗季相武紗季相武紗季
幸せって何でしょうね、と君が聞き、何だろうね、と僕がこたえる
ガラス窓にひとりの夢を映すもうカムパネルラはいない星空
喘息の寝息聞きつつ銀色に曇るガラスに浮かぶともしび
君になることができずに僕として生まれた僕が君を愛する
子のいない男の口に幸せは語られハイボールに透ける夜
(アスペルガーなのよ、あの子)と噂している善人の形した影
路地裏のサイズで赤くなる空にさえずる親の雀、子雀
帰る家のある幸せのゆく道のすずかけの木に花は咲かない
十年の夏ゆき秋もゆき僕と君らの窓に冬の朝来る
携帯で君の心を聞く夕べ夕べに溶けていく僕の影
空よりも大きなものがないゆえに空に問うべき他人への愛
ある秋のある朝の雨うつ窓の遠くに母は病みながら住む
偽善者を偽善者と呼ぶ声持たず夕日は僕の影のばすのみ
新しいビルが建ちます。背の高い田村くんちのあった空き地に
君の夢ききつつ満ちてゆく月の欠けゆく月の夜をすごそう
歳時記にない言葉にて秋空のわざとのような青さを疎む
「遅くなります」とメール打つ銀色の通勤電車に誰かが轢かれ
カップ麺に湯をそそぐのも僕がまだ生きていこうとしている証
ひと休みして雲を見るもし生まれ変わるなら人間でもいいか
自己嫌悪している自己をすり抜けて涼しい風が惑星に吹く
おじさんが舌打ちをした円高と小沢出馬とあつすぎる夏
蟻飼育キットで蟻の巣を掘っている蟻だったりするのかも、僕
夢を追え、現実を見ろ、人生を語る大人を信用するな
口げんかはじめて勝ってしまいつつ愛が壊れていこうとしつつ
ブランコのすわるところが濡れていて今日の夕焼け空は揺れない
本当の愛に気づいた君がもう半分女じゃなくなってから
死んだ父死んだ叔母さん死んだ犬僕が愛するものは死者のみ
「ふるさとを棄ててはじめて得るもの」をたんぽぽ語にて話すたんぽぽ
たんぽぽと同じ風受く別離とはひとつの空に溶けあうことだ
戦いしもののみが得る敗北を夏の夕べの電車が揺らす
大人らの欺瞞見抜けばわずかずつ君の体に似合うワイシャツ
僕たちは別れの理由ひとつずつ持って明日の約束をする
iPodぐるぐる指でなで回しブルーハーツが聴きたい、今朝は
放課後の校舎が今日も少年の飛び降り未遂の空につつまれ
ハルマゲドンなど待たずとも僕たちはたった一つの失恋で死ぬ
左翼詩集閉じこめてある本棚に君が並べているドラえもん
110度パラボラアンテナと僕と弓張月と夏のベランダ
戦いを終えてウルトラセブン去りいつもオレンジ色の東京
金賢姫の出てないチャンネルを探す2010年アナログテレビ
吐き出せば牛乳パック三つほどだった胸一杯のかなしみ
岡井隆の歌を読み、思うこと無いから君を抱き寄せている (訂正)
交尾して死ぬる蝶らのわれよりも矛盾をもたぬ愛を見てをり
(死にたい)という友人に(死ぬなよ)と応えるきりの友情である
左手は右手と触れん六畳に並んで眠る我ら家族の
夏蝶を目で追うひとりひとりずつ誰の不在をかなしむ愛か
心にて君を殺して事足りてしまう小さな憎しみを持つ
処方箋一枚夏の空に透きわたしは病める児の父である
空の青色あまりにも濃くあの人もあの人もあの人も嘘つき
鉢植えの紫陽花買って一年の未来夢見し母と夢見ん
「生きているだけで幸せ」「生きているだけで不幸」というその嘘め
利己主義の愛うちあける我がために世界は少し時間を止める
シベリアのことを我には語らざり叔父の遠忌の日の曇空
労働に確かな意味を負う夕べ夕べの空に残る明るさ
母病んで父子向き合えるテーブルに林檎一つを暖色とする
ベビーカーの子眠り母もまどろんで各駅停車は春日を走る
病ある額にかかる前髪を撫でて我らは親子なりけり
警棒で黒人少年打たるるをYouTubeで見ている十三歳
さみどりの野に我と手をつなぐ子も我を愛さぬ自由を持たん
缶ビール一缶飲めば忘れうる二十四時間分の屈辱
春雨にブランコ濡れて少年の呼ぶ友の名も思い出になる
母の病むことを伝えるために鳴る着メロ少女の恋物語
サヨナラとハジメマシテと青空と咲けば散るしかない桜花
青年の夢はるかなり一生に一度世界をはげしく憎め
僕一人とけ込むための闇持たぬ住宅街をふるさととする
弱虫であってはならぬ君の父 #senryu #jsenryu
四つある枕に四つ夢並べ四人家族の窓に冬過ぐ
好きでない嫌いでもない人が死ぬ #haiku #jhaiku (再出)
僕の手に抱きうるものの小ささを知って小さな姿する愛
最愛のピエロ産まれし日を赤く塗って手帳は父たる証
憎しみをいつまで捨てず濃き影を真昼の街にうつさん我か
時に病むことも自然の摂理とし真昼の雨を見ている枕
短めのメールにこめている愛や一瞬都会に降る粉雪や
日本語のある制約に統べられている「愛」「自由」「夢」「君」「未来」
指切りをせがむ子の目にうるみつつ嘘つき男ひとりが映る
報復も娯楽のひとつテロップは殺人犯の死刑を告げる
アルバムに綴じる一枚 君がいる二月二日の東京の雪
二万キロ先で途切れる海を見るたったひとりの僕の限界
現状を変える力を持たぬ時、僕は自由を愛す。君より
ケイタイの麻雀ゲームで四暗刻単騎テンパイして朝の街
アクリルの三角定規に空透かし夢への最短距離を求めよ
教室のジョバンニたちの左目に飛ばない銀河鉄道走る
コカコーラではなくファンタグレープが飲みたい。ファンタグレープを買う。
虚栄心かなえることを愛情と呼んで君らは結婚をする
ある悲報のためにも僕のポケットで携帯電話は光るのだろう
オリオン座からシリウスをさがす指 真冬の夜をただよう君の
僕たちと僕たちじゃないもの分かつ結露ガラスの向こうの真冬
明日戦死することはない僕の今日君を愛する二十四時間
労働の疲れをこころよきものとして丸くなる小さな背中
天国へ君らは行けば良い我はポルノの国の純愛に死す
「何故?」という問いに答えるふりをして二十四時間ごとに来る朝
板書されし事実のために教師らの白くまみれるだけの指先
今日もまた昨日と同じ一日であれと祷っている母の朝
少年の勉強机に刻まれて一行の詩に問われてる愛
やわらかく膝に抱く子を眠らしめ我の一日すべてを赦す
「森にいるみたいな女の子」ってのはオランウータンのメスのことかな
我が秋は一枚風に舞う紅葉 屋上緑化のビルの底にて
十五歳世界を変えてみたくなり飛行機雲の白さを愛す
誰よりも君が好きだという嘘をついてしまえるほど君が好き
想像でのみ美しき過去ゆらりアップルパイの湯気の幻
「いじめゼロ」達成校の教室の屑籠のずたずたの上履き
一尾ごと数十円の死をならべ秋刀魚売られている夕まぐれ
明日のため暮れゆく今日に影のばし良き人たちの影と交わる
のど飴のかすかな苦味脳内に満たし誰をも愛さない冬
「神様はいるんだ」「いいや、いないんだ」空を見あげる二つの理由
今日もまた昨日と同じ一日であれと祷っている母の朝
わらべ歌正しい歌詞を知らぬまま唄って正しい大人になれず
七歳の秋ゆけば七歳の冬、七歳の春、八歳の夏
鬼ひとり数を数える声がして落ち葉を踏んでいくかくれんぼ
十五歳ほのかに世界憎むとき飛行機雲の白さを愛す
少年の勉強机に刻まれて一行の詩に問われてる愛
老犬と思い出話をして空にただなんということのない月
中国語講座の基本例文に「我是日本人(Wo shi ribenren)」とある告白
述語省略しうる母国語にて伝う「僕はあなたを、僕はあなたを」
結果的に締め切りに間に合いませんでしたが、100題まで詠み終えたのでまとめてこのブログにアップします。
031:てっぺん
てっぺんの枝に白雲からませて公園杉は夏へ駆け出す
032:世界
母猫は右折レーンに死す我は世界で一番不幸ではない
033:冠
悔しさも栄冠である 思い切り石ころ蹴っとばしたとしても
034:序
古本の方法序説めくりつつ我は恋するゆえに悲しい
035:ロンドン
暮れなずむ兜町からロンドンへ投資家たちの地球は廻る
036:意図
復讐の意図かも知れぬ粉々になるまで立ったままのヒマワリ
037:藤
六月の花嫁たちに祝福を藤原紀香のことは忘れて
038:→
ここじゃない何処かへ行こう非常口誘導灯の→の碧
039:広
広がっていく茜色 思春期のスケッチブックに滲めば独り
040:すみれ
愛玩も愛のひとつかすみれ摘む少女はヨークシャテリアを抱いて
041:越
海越えて飛んで行けないカモメらに水平線は断絶の意味
042:クリック
17インチの窓に夜白む亡き人のサン・トワ・マミーをクリックすれば
043:係
みんないつか死ぬから僕はそばにいて死ぬまで君を笑わす係
044:わさび
古き良きのび太の夢は叶えない水田わさびの出すタケコプター
045:幕
あっけない幕切れだったら幸せで不倫の愛も北朝鮮も
046:常識
片目だけつむり片耳だけ閉じて我も常識人のフリする
047:警
くろがねのアサルトライフル抱きしめて国境警備兵の青空
048:逢
今日逢えて明日逢えない明後日も逢えない君のことが好きです
049:ソムリエ
ママでなく彼女が彼女であるための野菜ソムリエという肩書き
050:災
災害を伝えるニューステロップの速さで過去に変わる現在
051:言い訳
また僕は僕の心に言い訳し今夜も旅の支度をしない
052:縄
人でないもの人の死を悼まざれども沖縄に咲く曼珠沙華
053:妊娠
そんな顔して妊娠を告げるからこんな顔して僕は聞いてる
054:首
長い首ゆえにキリンでブチゆえにパンダで僕はなにゆえ僕か
055:式
(子への愛)(他人への愛)(自分への愛)を較べている不等式
056:アドレス
子のメールアドレス知らぬこともまた孤独のひとつに数えん母は
057:縁
セルロイド縁のめがねに反射して君の瞳にかさなる他人
058:魔法
「かわいいね」「好きだよ」「いつもありがとう」君に唱える魔法の呪文
059:済
二元論的救済を信じてる常に被害者たらん僕たち
060:引退
平成も来年22年まだ引退しない工藤公康
061:ピンク
一面を薄いピンクに塗ることを春と呼びたき君の画用紙
062:坂
労働の意味とはなにか 駆け上がるには長すぎる坂道にいて
063:ゆらり
想像でのみ美しき過去ゆらりアップルパイの湯気の幻
064:宮
魂のある人形を押し抱き初宮参りの玉砂利の音
065:選挙
選挙後も貼られたままのポスターの作り笑顔に冬の雨降る
066:角
アクリルの三角定規に透け空は数学教師の左90度
067:フルート
フルートの音色のごとき君の愛 古びた毛布のごとき我が愛
068:秋刀魚
一尾ごと数十円の死を並べ秋刀魚売られている夕まぐれ
069:隅
ユダでありダイバダッタであるときの我の心の隅の正論
070:CD
恋のみが叶えうるもの信じたし夜通しエンドレスのCD
071:痩
十五年足らずの過去をすべてとし毛布に痩せた老犬眠る
072:瀬戸
瀬戸物の茶碗をくるむ新聞にくしゃくしゃになるこの国の過去
073:マスク
マスクしていても微笑みうる君の瞳に幸せな誤解する
074:肩
肩車して一本の影となり 僕はおまえのために死にたい
075:おまけ
東京のヒエラルキーの中にいて誰かのおまけで生きてる誰か
076:住
同じだと証明をせよこの月と君の住んでるところの月と
077:屑
「いじめゼロ」達成校の教室の屑籠のずたずたの上履き
078:アンコール
偶像は立つことに倦みアンコールワットの仏もレーニン像も
079:恥
恥ずかしいキスに始まる青春の蹉跌はひとつも間違ってない
080:午後
不具者らを淘汰してゆきこの国に同じ形の影うつる午後
081:早
愛よりも遙かに蒼い空 最早死にたいほどは君を愛さず
082:源
野比のび太への同情を愛として源静香の幸せは何?
083:憂鬱
味噌汁の具がジャガイモであることも原因である朝の憂鬱
084:河
礫蹴る河原に我は影伸ばし 義務あるゆえにあしたも生きる
085:クリスマス
昨日より少し寂しき今日のためクリスマスイルミネーション光る
086:符
明日への片道切符をポケットに最終電車は月追いかける
087:気分
気分的問題ではあるけれど今ミスチルじゃなく吉田拓郎
088:編
さっき観た冒険映画の続編に失望しつつ君とキスする
089:テスト
安直なカテゴライズを望んでる心理テストを行う心理
090:長
長生きの秘訣ひとつも守ることなく三十八回目の冬
091:冬
灰色に冬空描きキャンバスに君の唇のみが暖色
092:夕焼け
後悔は無意味ではある 夕焼けが過去を愛することを強いても
093:鼻
鼻すする音も季節を知る音のひとつ君らと暮らすこの家で
094:彼方
一人とか二人だとかということに飽いて彼方の空が明るむ
095:卓
幸せが卓上コンロの火の青い色をするとき煮える鶏肉
096:マイナス
100人の村で6人間引かれてチーム・マイナス6%
097:断
見たことがないだけだからあり得ないとは言いきれぬ空の断絶
098:電気
電気屋の液晶テレビが一斉に酒井法子に判決くだす
099:戻
すりおろしリンゴはリンゴに戻らないリンゴはすりおろしリンゴになるが
100:好
言えるなら言えるだけ言うほうがいい明日は君に言えない「好き」を
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